和歌山県・道普請による参詣道の環境保全活動

■ 世界遺産の修復に関われることが最大のメリット

山西課長

道普請は決して楽な作業ではないが、前述したように継続して参加する企業が多く、募集枠がすぐに埋まる企業も多いという。その理由は明確だ。

「最大の理由は、一般の方々が簡単に世界遺産のコアゾーンで修復に関わるという、とても希少な体験ができることだと思います。活動内容がわかりやすいことや、参加した企業が世界遺産の保全に直接関わったことを、IRやCSRレポートでアピールできることもメリットになっているようです」と山西課長。

また、企業の参加が決まる都度、和歌山県が報道関係機関にプレスリリースを配信するなど、高いパブリシティ効果が得られることも、企業の参加意欲を後押ししているようだ。

さらに、企業の要望に応じて熊野古道のトレッキングなどの多彩なプログラムを組めることも高く評価されているという。

しかし、補修しても1年間で4割ほどの土が流れてしまうので、補修は永久に必要な作業と言える。そのため和歌山県では、常に参加企業を募集している状況だ。

興味を持ったら和歌山県に直接問い合わせるのもよし、個人で参加できる和歌山県主催の「環境保全トレッキング」に参加してみるのもよし。パワースポットとしても名高い地を結ぶ参詣道の保全活動を、CSRメニューとして検討してみてはいかがだろうか。

問い合わせは、和歌山県商工観光労働部観光振興課まで。

◆道普請紹介サイト
http://www.sekaiisan-wakayama.jp/protect/fifth.html

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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