オルタナ77号「漁業トピックス」49

ギリシャは4月、海洋保護区での底引き網漁を禁止すると発表した。3ヵ所の国立海洋公園を皮切りに、2030年までの全面禁止を目指す。一国家全ての保護区を対象にする試みは、欧州初だ。
取り組みを発表したキリアコス・ミツォタキス首相は、アテネで開かれた海洋会議(Our Ccean Conference)で「ギリシアは自然保護に歴史的な一歩を踏み出した」と語った。
底引き網漁は世界の漁獲量の4分の1以上を占め、乱獲だけでなく気候変動の原因にもなっている。魚網が海底を削ることで、そこに蓄えられた炭素を放出するためだ。
1月には、米国の科学者らが学術誌「フロンティアズ・イン・マリン・サイエンス」に、底引き網漁で毎年最大3億7000万トンのCO2が大気中に出ているとする論文を発表。事態の深刻さを訴えた。