経営計画にCSR 基本方針を落とし込む
このように「日々の仕事で世の中のお役に立つ、世の中にごめいわくをかけない」は、基本的な「方針」です。ですから経営に統合、即ち、経営計画に落とし込んで実行し、総括して、より良いレベルを目指して行きます。
私たちは、代表取締役を議長とするCSR 会議を制定し、具体化のためCSR 関係委員会を展開しています。委員会活動を主に動かしていくのが、私の所属するCSR 統括部門です。この部門は、環境安全・品質保証・法務・総務・広報・監査・推進の7つの部室からなっています。会社によって組織の組み方は様々ですが、人事系、経営企画系、広報IR 系、マーケティング系ではなく、典型的な「守りのCSR」系の組織です。
「フィランソロピー系CSR」についても、各事業所における地域密着型諸活動、化学実験教室参加、東北復旧復興支援ツアー参加など、1つ1つは小さいものですが、これらをパッケージとして、「持続的」に取り組んでいます。「世の中に対して」を考えるなら、外に目を向けよう! こうした活動は、「社会に目を向ける諸活動」と解釈して取り組んでおります。
CSR は基本方針だからこそ、経営に落とし込んで対応しています。それでも社会の企業に対する要請、期待、リスクはさらに複雑化していています。そうなると大切なのは、一人ひとりの倫理観や、センスやアンテナの高さ、人の力です。一人ひとりの自覚により、生き生きとした仕事やその人の成長こそがCSR の推進エネルギーに欠かせません。
昨今のCSR は、新たなマーケットの開発、企業価値向上、長期的投資家の育成、高度なリスク回避などの発展系が盛んです。こうしたCSR を企業に統合する考え方は、素晴らしい経営イノベーションです。一方でCSR が「世の中にご迷惑をかけない、お役に立つ、人の成長」なども「ありたい姿」として想定しているならば、それを目指していくべきだし、私たちの取り組みは、まだまだ道半ばと感じております。
【こやま・ともき】 日本ゼオン株式会社に入社後、国内営業、企画、管理等の部署を経て、2013年7月からCSR部門に着任。
この記事は株式会社オルタナが発行する「CSRmonthly」から転載しました。
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