希少な「古来種」20種を味わう「ナスフェス」

タネを自家採取できる状態になった茄子の木と、「warmerwarmer」代表の高橋一也さん
タネを自家採取できる状態になった茄子の木と、「warmerwarmer」代表の高橋一也さん

参加者は、「ただ茄子が好きだから参加した」という人から「古来種の野菜が美味しくて好きなので」という人まで21人が参加した。

生産する農家が現在2軒しか残っていないという福井産の「妙金なす」は醤油と砂糖だけで煮た「ころ煮」に、その他様々な茄子は、浅漬けや、「だし」と呼ばれる山形の郷土料理にして提供された。

現在市場で流通している野菜のほとんどは、「F1種(雑種第一代)」と呼ばれる、人工的に交配され「品種改良」されたタネから育つ野菜だ。形や味が均一になるというメリットがある一方、その野菜から採取される二代目のタネは親とは全く違った形や性質を持ち、次世代の野菜の育成に適さないため、タネの命を継承していくことができない。

高橋さんは「古来種の野菜をつくる農家は年々減っている。古来種の野菜は個性があってとても美味しい、ということを少しでも多くの人に知ってもらいたい。食べ方も含めて、これは日本の文化だ」と話す。

「先祖代々から受け継がれた野菜のタネや命、味を守り伝えたい。そのためには、タネを自家採取し、それをまた育てていくことが大事。こういうイベントで、いろんな人と新しいつながりを作っていきたい」

現在は、伊勢丹(新宿店)とワタリウム美術館(渋谷区)のほか、全国各地のイベントなどでも出店している。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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