子どもの未来をどうつくるか

今、子どもたちの教育環境を進化させようという取り組みが熱い。まず、前提として日本の小中高の子どもたちが置かれている状況は2つの軸で割と深刻である。

一つは、子どもの貧困や不登校といったいわば教育にアクセスすることが困難な子どもたちが抱える課題だ。そしてもう一つが、「ソサイエティ5.0」を担う未来のリーダーを輩出するために、先端的教育をどう提供するかという課題である。

手法や技術が進歩する先端的教育を、学校だけで提供するには難しさがある。教育現場にAIの導入、大学や地域と連携した教育などを推し進めるためには、外部企業やNPOなどの協力が欠かせない。学校の先生の負担も減る。

折しも今、かつて教師を志したかもしれない若者が、続々と新たな教育サービスを立ち上げている。一方で、学校がこうした外部サービスを活用するにはどうしても資金が必要になる。

ここに光を当てた画期的な研究会が、経産省主催で2024年7月まで開催された。「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」だ。

この研究会では、ソサイエティ5.0に対応できる教育を実現するために、いかに民間資金(寄付など)をもたらすメカニズムを創るかを包括的に検討した。日本中の既存の成功事例を分析して、その事例をどう広げるか戦略を話し合った。

自治体、企業、NPO、学校がどうエコシステムを形成して、この民間資金の循環による教育の進化を生み出すのか、日本で初めてのグランドデザインともいうべき報告書が完成した。

■「カード」で意識変える

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鵜尾 雅隆(日本ファンドレイジング協会代表理事)

連載:社会イノベーションとお金の新しい関係 日本ファンドレイジング協会代表理事。国際協力機構、外務省、米国NPOを経て、ファンドレイジング戦略コンサルティング会社ファンドレックス創業。寄付、社会的投資の進む社会を目指して日本ファンドレイジング協会を創設。著書に『ファンドレイジングが社会を変える』など。

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