老舗子ども服ブランドの「ギンザのサヱグサ」は今夏、小学校低学年の子どもたちを対象に、長野県栄村で3泊4日の自然キャンプを行った。同社のCSR活動「サヱグサ・グリーン・プロジェクト」の一環で、自然を通して学ぶ場を子どもたちに提供し、次の世代を育てていくことを目指している。同社CSR責任者の井ヶ田剛秀さんに話を聞いた。(オルタナ編集部=佐藤理来)
――今回のサマーキャンプ「Green Magic」はどういった経緯で始まったのですか。
これまで「サヱグサ・グリーン・プロジェクト」では、環境絵本や洋服のハギレを活用した「アップサイクル」グッズの展開、自然エネルギーを使ったイベントなどを行ってきました。ですが、啓発系に偏っていたという反省があります。プロジェクトも3年目になり、啓発から体験へと、次のフェーズに移っていきたいと思いました。
当社のある銀座は、自然と触れ合う場に乏しく、お客様の多くが都内のマンション住まいです。昔から「体験」の場は大人が提供する必要があると考えていました。
そんな折にNPO法人信州アウトドアプロジェクト(長野県栄村)の島崎晋亮さんに出会って長野県栄村の大自然の素晴らしさを知り、一緒にキャンプをやることになったのです。
そこで今年初めて、自然キャンプを開催しました。親元を離れて3泊4日というプログラムでしたが、都内の小学校に通う12人の小学生が参加してくれました。
――キャンプはどんなプログラムだったのですか。
シャワークライミング(沢登り)や野外炊事、そして里山での地域交流を盛り込みました。集落の人から草笛の作り方を教えてもらったり、村祭りの再現をしたりしました。プログラム自体は島崎さんが構成してくださったのですが、大自然と触れ合って工夫する力を養ってほしい、人と人とのつながりを体感してほしいという意図が込められています。