謎の白票誘導キャンペーン、実態は「人工芝運動」?

同運動の危険性について中園氏は「周到に用意された人工芝運動は、それとは気付きにくい」と指摘。本当の草の根運動かどうかを見分けるために、中園氏は「市民が気軽にチェックできるような雰囲気、社会的合意が必要」と強調する。

アフィリエイトサイトに掲載された「白票キャンペーン」への誘導記事=28日
アフィリエイトサイトに掲載された「白票キャンペーン」への誘導記事=28日

では、今回の「白票キャンペーン」に即して考えれば、人工芝運動かどうかを見分けるには何がポイントになるだろうか。中園氏はこう話す。

「政権与党を脅かす候補者への投票を無効化するのが白票キャンペーン。とすれば、得をするのは誰でしょうか」

■「対象分析に失敗」

ところで今回のキャンペーンには、人工芝運動かどうかよりも、致命的な欠陥があるという。

「このキャンペーンが白票を投じさせようとしているのは、政権与党に危機感を持ち、ネットから情報を取っている人々です。

彼らの多くは投票経験があり、メディアからの情報をうのみにせず、比較的情報リテラシーが高いでしょう。『白票の無効性』についてもあらかじめ知っているため、誘導の流れをつくることはむずかしいはずです。

つまり、このキャンペーンはターゲットのプロファイリング(対象分析)が甘く、コミュニケーション戦略自体が破綻しています。人工芝運動かどうか以前の問題とも言えますね」(中園氏)

白票キャンペーンサイトの魚拓(27日時点)
日本未来ネットワークとやらについて(有志による同サイトの解析)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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