ICT(情報通信技術)のアウトソーシング事業を手掛けるパークウェイ(東京・杉並)は、ベトナムでICカードを利用した医療情報管理システムを実用化した。同社は世界で初めて、「Suica(スイカ)」に代表されるソニーの非接触式ICカード技術(フェリカ)を使った献血管理システムを血液学・輸血研究所併設病院や献血センターに導入。これにより、管理業務の改善や生活習慣病の早期発見につなげる。同社は、これまでに献血カード3000枚を無償で配布した。(オルタナ副編集長=吉田広子)
「社会の発展に、日本の高度なICT技術がまだまだ生かし切れていない。ODA(政府開発援助)案件だけでなく、新興国で現地の人が本当に必要だと感じている開発の手助けをしたかった」
パークウェイ・百瀬徹社長は、開発の経緯を語る。同社が提供するのは、電子化された献血カード「VSmileカード」だ。
VSmileカードには、個人情報、血液検査結果や医療データが記録されるほか、電子マネー機能や共通ポイントカード機能があり、マルチファンクションを実現している。顔写真をプリントしているため、本人確認書類としても使用できる。
「個人情報を電子化することで、安全性を危惧する声もあるが、電子マネーと同様の高度な暗号化領域に記録されているため、不正に使用されることはない。日本の健康保険証は、持っていること自体が本人証明になっており、不正使用しやすい状態になってしまっている」(百瀬社長)
■ 生活習慣病対策にも貢献