「辺野古に基地作るな」国会包む ヒューマンチェーンで

沖縄県名護市辺野古で今月に入り、中断していた米海兵隊新基地の建設作業が再開されている。これに反対する国会議員や市民らが25日午後、国会をヒューマンチェーン(人間の鎖)で取り囲んだ。沖縄選出の国会議員は「基地反対が県民の総意」などと訴えた。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

ヒューマンチェーンに参加するICU3年の元山仁士郎さん=25日、国会前で
ヒューマンチェーンに参加するICU3年の元山仁士郎さん=25日、国会前で

実行委員会が主催。新基地建設反対を掲げ、先の衆院選で当選した国会議員が姿を見せた。元自民党県連顧問で県議会議長も務めた仲里利信議員は「私は(基地反対を貫いて)自民党を除名された。今、沖縄は保守と革新でケンカしている場合ではない」と訴えた。共産党の赤嶺政賢議員も「安倍政権は県民の総意を崩すことはできない」と話した。

集会では、普天間基地がある宜野湾市の出身で、国際基督教大学3年の元山仁士郎さんも発言。元山さんは辺野古にある米海兵隊キャンプ・シュワブのゲート前で基地建設への抗議に参加していた。「今日、辺野古から戻ってきた。本土に対して、『基地はいらない』という沖縄の問いかけにどう応えるのかを問いたい」と呼びかけた。

ヒューマンチェーンには主催者発表で7千人が参加した。

■現地で抗議の市民にケガ人か

辺野古では基地ゲート前や海上で市民が抗議を続ける中、警察や海上保安庁の警備が暴力的だとの批判が強まる。21日には名護市の稲嶺進市長が沖縄防衛局に「海保の対応は過剰」などとして、作業を強行しないよう求めた。23日には社民党の照屋寛徳衆院議員らが、那覇の第11管区海上保安本部に対して過剰警備の中止を申し入れている。

琉球新報は17日、海上抗議で海保に拘束された男性が骨折していた、と報じた。海上保安庁は取材に対して「ケガや器物損壊などの事実は確認していない」と答え、警備は適正との姿勢を崩さない。

現地での抗議に参加する、沖縄平和運動センターの大城悟事務局長は「海保は『見られていない、何をやってもバレない』という意識なのではないか」と話している。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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