世界的なCSRの動向のなかで主流化してきた人権への取り組みだが、子どもの権利と企業の責任を明確につなげる枠組みとして、「子どもの権利とビジネス原則」(CRBP)が2012年3月に発表された。シリーズ「ビジネスと子どもの人権」では、「CRBPの10の原則」を分かりやすく説明していく。第一回は、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「子どもの権利とビジネス」担当の森本美紀氏に寄稿してもらった。

SCJ)デニムを縫い続けて手が青くそまった若年労働(Jonathan Browning)

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企業向けガイドラインに「子どもの権利とビジネス原則」があるのはご存じだろうか。70億人を超える世界人口のうち、約3分の1は18歳未満の子どもであり、10歳から24歳の若者人口も人類史上かつてないほど大きいと言われている。ここから「ビジネスと子ども」のつながりも見えてくる。子どもは消費者であり、若年労働者であり、未来の従業員でもある。

2012年にグローバル・コンパクト、ユニセフ、セーブ・ザ・チルドレンは、「子どもの権利とビジネス原則」(Children’s Rights and Business Principles – 略称CRBP)を策定した。

CRBPはCSR分野の「人権」、「環境」、「労働」の枠組みを「子どもの権利」の視点から促す。ビジネスにおいて子どもに負の影響を与えないことだけが、企業が果たすべき社会的責任ではない。健康や教育、栄養、環境など世界の子どもたちが直面している課題の解決にビジネスの観点から貢献する。

それは、製品やサービスの開発・提供、または広告やマーケティングを通じ、積極的に「子どもの権利」を推進することである。従業員のワーク・ライフ・バランスへの配慮も、適切な親子関係・子育て環境を確保し、「子どもの権利」の推進に資する活動といえる。

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