
毎年4月2日は、国連の定めた世界自閉症啓発デーだ。この日、日本を含む136カ国以上が、同じひとつの「願い」を込めて「ライト・イット・アップ・ブルー」(LIUB)キャンペーンでつながる。その壮大な青い光のリレーに託すのはオーティズム(自閉症)の人々が安心して暮らせる社会の実現である。(NPO法人あっとオーティズム代表=佐伯比呂美)
世界自閉症啓発デー制定に際し国連は、加盟国などに対しオーティズムの研究を強化するとともに保健、教育、雇用などの不可欠なサービス提供を拡充するように促し、また全ての人々へ理解と適切な対応をもとめている。
それを受けて、LIUBキャンペーンは2010年以降世界各地で急速に浸透しエンパイアステートビルディング、エジプトピラミッド、国際宇宙ステーションなど各国有数の建造物やランドマークを含む1万カ所以上がブルーにライトアップされるオーティズム・アウェアネス(自閉症啓発)が行われている。
日本は、遅ればせながら昨年障害者権利条約に批准した。しかしアメリカなどと比べるとオーティズムの社会理解や環境整備に20年以上の遅れがあると言われている。なぜこのような差が生じたのか。