女性器アート裁判で被告「わいせつではない」

■被告「根底に女性差別ある」

五十嵐被告は意見陳述で「女性器は体の一部であるにもかかわらず、日本ではさげすまれ、恥ずかしい、いやらしいものとして扱われている」と話した。その上で「女性器はまるで男性の愛玩物のように扱われているのがその原因で、根底には女性差別がある。こうした現状を変えたいと思い、芸術活動を始めた」と述べた。

検察は被告への証拠確認で、立体物作品などの証拠品を傍聴席から隠す形で実施。弁護側が「証拠物は傍聴席から見えるように確認するのが通常の方法だ」と異議を申し立てる一幕もあった。

初公判後に開かれた報告集会で、弁護団の山口貴士弁護士は立体物作品や3Dデータについて説明。「いわゆるヌードではなく性器そのものであり、形状はデフォルメされていて性器以外のものにも見える。性欲を刺激するものではない。性的な表現ではなく性器の表現だ」と話した。

五十嵐被告も「私の作品は性器を扱っている、水準が低いなどとよく批判される。けれども『だから逮捕されても仕方ない』という風潮は怖い。私に限らず全ての表現者に通じる問題だ」と述べた。

これまでに五十嵐被告は、女性器をかたどった立体物を用いてジオラマ(情景模型)やカヌーなどを製作。2014年7月と12月の二度にわたり警察に逮捕されている。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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