
映画「うみ やま あひだ」のプレミア上映会に参加してきました。この映画は写真家の宮澤正明さんの初映画作品で、1000年に及ぶ森と人との関係を伊勢神宮の式年遷宮を通して描き出すドキュメンタリーです。写真家としての目、アングルが素晴らしい映像美を生み出しています。法隆寺管長や大学教授、生態学者など12人の賢人による語りが紡がれ、その横糸に清冽な音楽が流れます。(エムズシステム代表=三浦光仁)
東京での上映が22日から始まりました。エグゼクティブプロデューサーの奥山さんから1年ほど前にお話を伺っていて、何度かプレミア上映会にお誘い頂いていたのですが、都合が付かず、まだ拝見していませんでした。ようやく本格的な上映が始まるようなので、その初日の1回目を観てきました。
式年遷宮は20年に一度、神様の御社を建て替える神事で、すでに1300年以上も続けられているそうです。見事に育ったご神木となる檜を使って建て替えるのですが、20年毎と言うのは少しもったいない気がしていました。
その疑問を宮大工の棟梁、小川三夫さんが明快に答えてくれました。「(確かに大量の木を使いますが)そのかわりちゃんと木を育てるということを一生懸命していますよね。これはやっぱりすごいなって感心しますね」。木を使い、活かすには、同時に木を育て、森を生かすことが前提なのです。
彼はこうも言っています。「一生懸命磨いて研いだ刃物を持てば、手を抜くような仕事はしたくなくなる。精一杯その道具を使ってみたいという気持ちになるんです。そういう刃物を持てば、それに負けない、応えるような仕事をしますよ。誰もがね」(小川さん)
素敵な言葉です。このような心構えを持った人々によってその技術が1000年以上も継承されているのです。