社会人は組織人なのか、個人か?[三輪 昭子]

三輪昭子 - コピー

新年度が始まり、当然のように待ち遠しかったGWの季節がやってきました。大学を職場とする筆者にとっては、ゼミ生の内定獲得報告を受けて、彼らと喜びを分かち合う季節でもあります。希望を感じるひとときです。(愛知学泉大学准教授=三輪昭子)

就活準備のサポートをする時期、私ができることはあまり多くはありません。彼らの書く作文などの添削や書き方の助言をする、あるいは声援を送る、さらには彼らの苦労に耳を傾ける程度のことでしか、彼らの過酷な就活の日々を受容することはできないと思っています。

そのサポートとして作文演習をすることがあり、練習問題として先日、ひとつのテーマについて書いてもらうことにしました。課題は、就職専門のサポート講座でたびたび課される模擬試験のものを利用しました。私が選んだのは「あなたが理想とする社会人」と「どんな社会人になりたいか」というもの。いわゆる、社会人をテーマとしたものです。

その解答案を作成しようとして、ハッと気づくことがありました。通常、具体性のない抽象的な語彙が出てきたら、自分なりの定義づけを書くようにしましょうと指導します。

筆者が気づかされたのは、「社会人」という用語のことです。読者の皆さんは、「社会人」というと、どんな人を想像するでしょうか。社会人像は、どんなイメージなのでしょう。例えば、「責任ある社会人」、あるいは「自立した社会人」、さらには「自律した社会人」というようなイメージ化ができます。さらには、「仕事に誇りをもっている社会人」という職業観を併せもつ場合も考えられます。

ところで、先日、友人が体験した奇妙な出来事について考えさせられました。彼女はこの春大学院を修了。その大学院受験時の思い出を語ってくれたのです。それは、「社会人特別選抜制度」、通常は社会人入試と言われる制度や、用語の定義づけの難しさを感じさせる出来事でした。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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