国会周辺で人間の鎖「辺野古の海守れ」、1月に続き2度目

沖縄・辺野古への米海兵隊新基地建設に反対する「人間の鎖」行動が24日午後、国会周辺で行われた。「5・24首都圏アクションヒューマンチェーン」実行委員会が主催。辺野古の基地建設に反対する人間の鎖は今年1月に続いて2度目となる。参加者数(主催者発表)は1万5千人で、前回の7千人から倍増した。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■名護市長「国の作業はパフォーマンス」

人間の鎖行動で国会前に集まった沖縄選出の国会議員ら=24日
人間の鎖行動で国会前に集まった沖縄選出の国会議員ら=24日

人間の鎖に先立ち国会正門前で開かれた集会では、辺野古がある名護市の稲嶺進市長や沖縄選出の国会議員らが発言。この中で稲嶺市長は「度重なる選挙で示された沖縄の民意、民主主義を否定し、県民を圧殺するように作業が進められている。辺野古沖の海上やキャンプ・シュワブのゲート前では暴力的な警備が行われているが、基地建設に反対する県民は国民ではないのか」と国を批判した。

さらに稲嶺氏は「国はあたかも工事が順調に進んでいるように印象を装っているが、これは米国へのパフォーマンスに過ぎない」と主張。その理由として「国は本体工事に伴う調査作業で、名護市長の許可が必要な項目を一つもクリアできていない。国は前県知事の海上埋立承認を金科玉条としているが、本体工事には翁長雄志知事の承認が必要で、建設は実質的に不可能に近い」と説明した。

続いて登壇した哲学者の高橋哲哉氏は「基地建設を止める一次的責任は私たち日本国民にある。沖縄に基地を押し付けたのは誰なのか。政府と国民に責任がある。東京、本土でこそ声をあげないといけない」と訴えた。

糸数慶子参院議員は「日本が沖縄県民の自己決定権と生存権を踏みにじるのならば、沖縄は将来的に独立も考えなければいけない。沖縄が全ての基地の返還を求める状況が来る」と述べ、沖縄に依存する日本の安全保障を痛烈に批判した。

参加者で都内に住む女性は「辺野古をテーマにしたドキュメンタリー映画『戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)』を観た。私たちがどういう国に住んでいるのか、辺野古で人々がどんな未来を望んでいるかが描かれていた。今の日本は、私が将来住みたいと思う国のあり方と違う」と話した。

■本土、米国への働きかけ活発に

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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