障がい者雇用成功のカギは採用プロセスの構築(3)[橋本 一豊]

支援機関に登録している求職者の中には、就労のイメージが持てずに不安を抱える人もいるため、出来る限りイメージできるように情報収集することが重要であり、ここでの作業はジョブマッチングのために必要なプロセスとなる。

「ステップ3」では、これまで収集した情報を関連機関とのネットワーク内で共有し、求職者に情報提供する。興味関心のある求職者がいる場合には、見学会への参加を呼びかける。

「ステップ4」では、よりイメージを掴むために、求職者が職場見学会に参加する。ここでは、企業担当者が事前に支援機関と打合せをした内容で、採用スケジュールや雇用条件、仕事内容等の説明を行い、実際に職場見学を行う。

「ステップ5」では、職場見学会に参加した求職者との意思確認を行い、さらに仕事のイメージをつかむための体験実習(1週間から2週間程度)に向けた面談を実施し、人数によってスケジュールや現場との調整を経て実習を行う。

「ステップ6」では、実習での状況を踏まえて採用に向けた面接を行い採否について検討する。

そして「ステップ7」で採用となり、各種手続きや社内研修などを行う。という流れである。

このように、採用プロセスを構築するために段階的な準備が必要になるが、採用後のサポート体制や企業と支援機関の関係作りを考えると、事前の情報収集や採用の準備が非常に重要だ。

結果的に企業担当者からは「企業の見学をしたことで雇用イメージがついた」「企業が作成した資料に基づき支援機関がある程度イメージして推薦してくれるので安心感があった」「情報を集約してくれたので事務コストが軽減できた」などの評価があった。

今回記載した内容はあくまでも一例であるが今後の採用プロセスの参考になれば幸いである。

今回のコラムで3回にわたって掲載した「障がい者雇用成功のカギは採用プロセスの構築」については終了し、次回のコラムでは、さらに現場に密着した情報を提供したいと考えている。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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