サントリー新浪会長辞任、鳥井社長「二人三脚できずに残念」

サントリーホールディングスは2025年9月2日、新浪剛史会長が辞任したことを受け、緊急記者会見を開いた。新浪氏は自身が購入したサプリメントに関して、福岡県警の捜査を受けたことの責任を取り、9月1日付で辞任を申し出た。同社の鳥井信宏社長は、新浪氏について、「業績を飛躍的に向上させ、社内のカルチャーも変えた。二人三脚でやっていきたかったが残念だ」と話した。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

緊急記者会見に登壇した、サントリーホールディングスの鳥井信宏社長(左)と山田賢治副社長=9月2日、都内で

同社は8月22日、新浪氏から自身が購入したサプリメントについて、警察による捜査が行われたと報告を受けた。同社が新浪氏に対して、外部弁護士によるヒアリングを行った結果、適法であるとの認識の下に購入したサプリメントに関して、捜査が実施されたことが分かった。

同社は8月26日に臨時取締役会、8月28日にも新浪氏以外の取締役が出席した緊急の会議で協議したところ、サプリメントに関する認識を欠いた新浪氏の行為は代表取締役会長という要職に堪えないと判断し、全員一致で辞職を求めることを決めた。

鳥井社長が新浪氏と協議した結果、9月1日付けで新浪氏から辞任したいとの申し出があり、同日に受理した。

鳥井社長は、「サントリーグループに対する信頼回復に努めたい」として、「どうやってガバナンス体制を強化していくのか、今後議論していく」と話した。

新浪氏は2014年10月、サントリーホールディングスの社長に就任した。同社としては、創業家以外の初の外部登用だった。同社の14年12月期の売上高は2兆4千億円だったが、24年12月期の売上高は約3兆4千億円に達し、10年で1兆円伸ばした。25年3月から代表取締役会長に就任した。23年4月から経済同友会の代表幹事を務める。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

執筆記事一覧
キーワード: #サステナビリティ

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。