記事のポイント
- 消費者庁はジャパネットたかたに対して有利誤認で措置命令を出した
- おせちをセール価格で販売していたが、通常価格での販売計画はなかったとした
- ジャパネットたかたは「有利誤認には該当しない」とする説明を公表した
消費者庁と公正取引委員会はこのほど、ジャパネットたかたに対して有利誤認で措置命令を出した。ジャパネットたかたが昨年キャンペーン価格で販売したおせち商品について、通常価格での販売計画はなくその価格設定も十分な根拠のあるものではないとして今回の命令に至った。一方、ジャパネットたかたは同日「有利誤認には該当しない」とする説明を公表した。(萩原 哲郎)

有利誤認で措置命令を受けた
問題となったのは、ジャパネットたかたが2024年に販売したおせち商品の1つだ。早期予約キャンペーンとして通常価格2万9980円であるのに対して、7月22日~11月23日まで1万円値引きの1万9980円と表示したが、実際には通常価格での販売が行われなかった。
消費者庁は今回の措置命令で「当該セール期間経過後に当該将来の販売価格で販売するための合理的かつ確実に実施される販売計画はなかったものであり、ジャパネット通常価格は将来の販売価格として十分な根拠のあるものとは認められないものであった」と指摘した。そのうえで同社に対して再発防止策などを命じた。
本来の価格と割引価格を表示して割安感を与える広告表示は多いが、実態が伴わない場合には「有利誤認」と指摘される可能性がある。ジャパネットたかたは2018年にもエアコンとテレビで有利誤認と認定されて、措置命令を受けている。
一方でジャパネットたかた側も同日に措置命令に対して「有利誤認には該当しないものと考えている」とする見解を公表した。同社説明によれば、「2022年、2023年は同キャンペーン終了後に通常価格で販売」しており、「2024年も同様の販売計画でしたが、期間内に完売した時点で販売を終了しております」とのことだ。
そのうえで、「おせちは時期をすぎると廃棄につながりやすい特性があり、早期にご予約いただくことで需要を正確に予測し、売れ残りによる廃棄をなくすことは、食品ロス削減に向けた企業の社会的責任」だと主張した。
今後、法的手続きのなかで正当性を主張していくことも検討しているという。