持続可能な木材利用について考えるシンポジウム「ワイスフォーラム2015」が10月23日、国連大学ウ・タントホール(東京・渋谷)で開かれる。持続可能な森林利用に取り組むNGOで構成される「フェアウッド・パートナーズ」と、家具メーカーのワイス・ワイス(東京・渋谷)が共同で開催。国産材利用と違法伐採をテーマに識者が意見を交わす。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■国産材利用を通じて違法伐採を防ぐ

プログラムでは、大和総研・河口真理子主席研究員が基調講演。ソーシャルビジネスなどの視点から国産材利用の可能性を探る。このほか、違法伐採と国産材の関係、国産材利用の最新事情などをテーマにした報告や、パネルディスカッションが予定されている。
ワイス・ワイスの家具製品は「伐採地の森林環境や地域社会に配慮した木材や木材製品」を意味する「フェアウッド」を100%使用。その内、国産材の使用比率は50%を超える。
同社ではシンポジウムの目的を「国産材利用を増やすことを通じて、違法伐採を防ぐことができる。そのための意識を高めたい」と説明する。
世界の森林は、違法伐採などにより年間1300万ヘクタールの速さで減少を続けるとされる。生物多様性の喪失や気候変動の促進、地域社会の破壊などの悪影響が指摘されている。
「先進国の中で日本が最も違法伐採による木材を輸入している」と同社。欧米などでは、すでに違法伐採による木材の取引を禁止する取り組みが進む。日本でもようやく、違法伐採対策の強化に向けた取り組みが与野党内で議論されている。
一方で国産材利用をめぐっては現在、国や自治体が導入拡大の取り組みを強化。公共事業でも木造建築の導入が増えているという。同社は国産材利用の増加に期待を寄せる。シンポジウムは午後1時開始。入場無料だが事前登録が必要。
◆ワイスフォーラム2015案内(ワイス・ワイス)
http://www.wisewise.com/archives/150916/