政府、気候変動を科学的に分析するIPCC総会を27年に誘致へ

記事のポイント


  1. 日本政府は国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の総会を誘致する
  2. 石原宏高・環境相がCOP30で表明した。開催時期は2027年後半の予定だ
  3. 総会では日本が注力するブルーカーボンによる吸収量の算定式を示す見込みだ

日本政府は11月21日、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の総会を誘致すると発表した。IPCC総会では、各国の科学者が集まり、気候変動に関して科学的に原因などを分析する。温室効果ガス(GHG)排出量の新たな算定方法なども策定する見込みだ。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

日本政府は「シナジー」「ソリューション」「透明性」を軸に世界の脱炭素化に貢献する

石原宏高・環境相は11月21日、ブラジルで行われたCOP30で、「日本の気候変動イニシアティブ2025」を打ち出した。同イニシアティブでは、アジアを中心に世界の脱炭素化に貢献するための重点施策として3つの取り組みを掲げた。

その3つとは、自然との「シナジー」、市場メカニズムや先端技術などの「ソリューション」、インベントリを活用した「透明性向上」だ。最後の、透明性向上の施策の一環として、IPCC総会の誘致を発表した。

日本開催の時期は2027年後半の予定だ。場所は未定。IPCC総会については、これまでに14年に横浜市、19年に京都市で開いたことがある。

IPCC総会では、各国から科学者が集まり、気候変動の原因や対策について科学的に議論する。GHG排出量の新たな算定方法もまとめる見込みだ。

石原環境相が打ち出した、「日本の気候変動イニシアティブ2025」では、日本政府が他国に先駆けて取り組む「ブルーカーボン」やJCM(二国間クレジット)での国際的なGHG排出量の排出削減・吸収などを強調した。

27年に日本で開くIPCC総会で、ブルーカーボンによる吸収量の算定方法などを示す方針だ。JCMについては、2040年までに累積2億トン程度の国際的な排出削減・吸収量を実現することを目標に掲げた。JCMのパートナー国は、インド・ASEANなどを中心に31カ国に広がっている。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #IPCC#脱炭素

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