持続可能なモビリティ、バッテリーの資源循環描け

記事のポイント


  1. BEVの最重要課題はバッテリーの回収リサイクルに尽きる
  2. 希少金属を使うバッテリーをどのように有効にリサイクルするのか
  3. 持続可能なモビリティを実現する重要なテーマではないだろうか

今年の4月25日、中国最大のモーターショーである北京ショーが開幕した。予想通りバッテリーEV(BEV)オンパレードのショーとなり、多くの中国メーカーが魅力的なBEVを展示していた。むしろ、エンジン車が少数派となったので「なぜ?」という目で見られていたようだ。(自動車ジャーナリスト=清水 和夫)

中国メーカーのBEVの魅力は、デジタル化とコネクト(繋がる)だ。タイヤがついたスマートフォンのようなものだ。バッテリーとモーターで走ることは当たり前になりつつある。

コクピット関係のサプライヤーとして知られるマレリ社(旧日産系カルソニックカンセイ社、現CKホールディング社の子会社)はコクピットのデジタル化を開発デザインするが、中国メーカーからは、一年以内に納品するように要求される。

これは日系メーカーの二倍以上のスピードなのだ。もはやバッテリーは競争領域ではなくデファクト領域となった。差別化するには「スマフォ化」できるかどうかがカギだ。

日本ではBEVというと、どうしても環境問題と関連して考えがちだが、中国メーカーにとっては脱炭素という発想はあまりないと筆者は見ている。

というのは、相変わらず大容量のバッテリーを搭載し、バッテリーや電気エネルギーのLCA(ライルサイクル)を気にするメーカーは多くない。

中国都市部の大気汚染は昔からは改善されているものの、東京やロサンゼルスの空気よりも汚れている。そのためBYD・ATTO3にはPM2.5の除去に対応した高性能な空気清浄機能を標準搭載している。

この空気清浄機能は車内・車外のPM2.5をモニタリングし、車内の空気を浄化する。CO2はモニターできないが、テールパイプから排出されるPMをチェックすることで環境への負荷が分かる。

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shimizukazuo

清水 和夫(自動車ジャーナリスト)

武蔵工業大学電子通信工学卒、1981年からプロのレースドライバーに転向、1988年本格的なジャーナリスト活動開始、日本自動車ジャーナリスト協会会員(AJAJ)、日本科学技術ジャーナリスト会議会員(JASTJ)、著書・共著に『クルマ安全学のすすめ』『燃料電池とはなにか』『ITSの思想』『ディーゼルこそが、地球を救う』などがある。

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キーワード: #脱炭素

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