記事のポイント
- 民間企業の調査結果で、介護の担い手を巡る親子の認識差が明らかに
- 介護について、親子で十分に話し合えていない実態も浮かび上がった
- 介護離職などの課題が深刻化する中、担い手の在り方が問われている
老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」はこのほど、親と子それぞれを対象に介護の担い手に関する意識調査を実施した。その結果、親側は「配偶者」を希望する一方、子ども側は「長男・長女」を想定する傾向が見られた。さらに、介護について親子で十分に話し合えていない実態も浮かび上がっている。介護離職などの課題が深刻化する中、担い手を巡る認識の共有が改めて問われている。(オルタナ編集部=川原莉奈)
介護は誰が担うのか──。その認識を巡り、親と子の間に認識の違いがあることがわかった。
「家族のこれから」について話し合う機会が増える帰省シーズンを前に、「LIFULL介護」は介護の担い手に関する調査を実施した。
その結果、親側は自らの介護の主担当として 「配偶者」(59.8%)に担ってほしいとする回答が最も多かった。次いで 「介護サービスなど専門スタッフ」(28.8%)が続いた。

参照:介護の担い手に関する意識調査
一方、子ども側は親の介護の主担当は「長男」(30.1%)と考える回答が最多で、 「長女」(24.3%)がそれに続いた。親が子どもへの負担を懸念する一方、子ども側は「介護は長男が担うもの」という意識が依然として根強いことがうかがえる。
さらに、親の介護や老後について家族で話し合った内容では、「老後を過ごす場所」(61.0%) や「希望するケア・治療」(52.4%) が多かった。
一方で、「費用」(44.4%)や「家族の役割分担」(41.2%)は半数を下回り、負担に直結する事項については十分に整理されていない実態も浮かび上がった。

参照:介護の担い手に関する意識調査
介護離職が深刻化する中、担い手ごとにさまざまな課題がある。配偶者による介護は老老介護となることが多く、心身の負担が重なることで共倒れに至るケースも少なくない。一方、子ども世代では仕事との両立が課題となる場合もある。
誰がどこまで介護を担うのか。早い段階での話し合いと認識の共有が求められている。
【調査概要】
・調査期間:2025年12月4日〜7日
・調査対象:親側 子を持つ65歳以上の男女500人/子供側 介護経験が無く、親が存命の30歳以上の男女428人
・調査主体:株式会社LIFULL senior
・調査手法:インターネット調査



