なぜ「電気国家・中国」が2026年第2のリスクになったのか

記事のポイント


  1. ユーラシア・グループが2026年10大リスクの第2リスクに「電気国家・中国」を置いた
  2. その背景にはEVやAI、蓄電池などに共通するシステムである「電気スタック」がある
  3. その電気スタック(electric stack)」を中国が掌握したことが世界にとってリスクだという

ユーラシア・グループは 2026年世界10大リスクを公表し、「電気国家・中国」を第2のリスクとした。21世紀の経済を牽引する電気自動車(EV)、ドローン、蓄電池、人工知能(AI)に共通するシステムである「電気スタック(electric stack)」を中国が掌握していると指摘した。「日本後版レポート」の要旨は次の通りだ。(オルタナ総研フェロー=室井孝之)

■中国が掌握した共通基盤「電気スタック」とは

21 世紀の経済をけん引する技術である電気自動車(EV)、ドローン、ロボット、先端製造、スマートグリッド、蓄電池、AIは、「電気スタック」(バッテリー、モーター、パワーエレクトロニクス、組み込み計算機)という共通の基盤を持つ。このスタックを制すれば、現代経済が求めるほぼあらゆるものを構築できるという。

中国はこれを掌握した。米国はこれを譲り渡しつつある。2026年、この「分岐点」は無視できないものとなると報告書は指摘した。

今日、 中国はクリーンエネルギーの消費・生産において群を抜いており、初の「電気国家」となった。絶対量では同国が世界最大の化石燃料消費国であることに変わりはない。しかし発電容量と発電量の大部分は、今や再生可能エネルギーで、発電量も増加している。

中国政府は、世界のリチウムイオン電池生産の約75%、モーターに使用されるネオジム磁石の90%を支配している。中国企業は ソーラーパネル、風力タービン、送電網設備、そしてこれらの部品を基に構築されるEVやドローンの分野でリードしている。

これらの電気スタックは1990年以来、99%も安くなった。国内では「内巻(過当競争)」が懸念され、西側諸国からは「過剰生産能力」 との声が上がっているが、生産の手を緩めることはない。

(この続きは)
中国の再エネ輸出額は米国の石炭輸出を超えた
世界は中国が支配する電気スタックで動く

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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