■ 砂糖、SO2無添加のシャンパンづくり

最近フランスで、ノンドゼ(砂糖添加無し)、SO2(二酸化硫黄)ゼロのシャンパンの人気が高まっているが、ドラピエ社は20年前からノンドゼのシャンパンを販売している。
ミッシェル・ドラピエ氏がSO2アレルギーという理由もあり、90年代からその量を減らす研究をして、通常100mg/リットル を40~50mg/リットルまで下げて、2008年には、100%ピノノワール、ノンドゼでSO2ゼロのシャンパン「ブリュット・ノワール・サン・スーフル」を商品化して、ドラピエの究極シャンパンになっている。
また長年にわたって、自分の畑の自生酵母による発酵を実践しているが、最近、膨大な種類の自生酵母の中から3種類だけ厳選してブレンドした特殊な酵母を開発して特許を取り、ドラピエ・シャンパンの独特な風味の決め手になっている。
今年1月20日には、シャンパン生産元として初めてカーボンニュートラルを達成した。パリのコンサルタント会社が数値化した同社の二酸化炭素の総排出量を自社に設置したソーラーパネルによる電気発電(総消費量の45%)とインドで風力発電所を開設することによって、相殺しているそうだ。
現在、11種類のシャンパンを世界95カ国に輸出しているドラピエ社。日本は4番目の海外市場で、大手の有名シャンパン以外は仕切りが高いJALとANAのファーストクラスのシャンパンに選ばれたこともある。
気さくで控えめ、そして意志の強さを感じられるミッシェル・ドラピエ氏の信念が生み出した誠実でエレガントなシャンパンである。