もともと日本には、近江商人の「三方よし」(自分よし、相手よし、世間よし)がある。ただ、これとともに「陰徳善事」という「人知れず社会に貢献しても、わかる人にはわかる」という心得が根付いている。しかし、多様な主体の連携が求められるグローバル時代には通用しない。発信しないと顔の見える関係にならず革新が生まれない。そこで、私は三方よしに発信性を加えた「発信型三方よし」にすべきだと提唱している。その実践の場がまちてんである。
まちづくりでは、まちの個性「センス・オブ・プレイス」と、市民の誇り「シビック・プライド」の2 点が特に重要だ。先進的なまちづくりの創意工夫や全国津々浦々のクールジャパンをインバウンドも含めて世界に発信し、次世代へのレガシーを形成していく。
■グローバル視点のまちづくり
常にグローバル視点も欠かせない。2020年の東京五輪・パラリンピックの実施を控え、五輪のホストタウンなど世界の注目が集まる状況を最大限活用する。その際、国連で採択された2030年までの国際社会共通の持続可能性の目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」も踏まえる必要がある。
このため、今回は「まちてん持続可能なまちづくり宣言」(SDGs宣言)を発出した。登壇市町村や登壇者、展示参加者はいずれも世界とのつながりが強い。2020年には年間4000万人を目指すインバウンドのうねりや五輪関連でのホストタウンなどだけでなく、先進事例はみな世界とつながっている。

■地方創生まちおこしのレジェンド
まちてんは先進事例に学び、日本のいいものが埋もれないようにするため、「日本のまちに、光をあてろ」がテーマだ。持続可能なまちづくりの実践事例に光を当て、まちづくりを志すさまざまな担い手の出会いの場とし、イノベーションと明日へのレガシー創出につなげる「レジェンド」となることを目指したい。