世耕経産相、データ不正・品質問題に大きな危機感

公開シンポジウム「サプライチェーン全体での品質保証体制の強化に向けて」が6月下旬、都内で開催され、世耕弘成経産相らがデータ不正・品質問題に大きな危機感を表明した。(オルタナ総研スペシャリスト・室井 孝之)

このシンポジウムは経済産業省、日本経済団体連合会、日本科学技術連盟の共催だった。世耕経産相の講演要旨は、次の通り。

1)昨年10月以降の製品検査データの書き換えの事案は、各社の品質保証体制に関わることであり、企業経営そのものの問題と認識した。
2)「品質」は、日本のものづくりの競争力の源泉であり、世界から今なお、高品質という評価を受け続けている。
3)不正事案が相次いだ今、「品質」を改めて考える契機となる場を設けさせて頂き、経営トップのイニシアティブの下で、品質保証体制の強化に努めて頂くことが重要だとの考えに至った。
4)経済産業省は、昨年12月に「製造業の品質保証体制の強化に向けて」を発表した。3本の柱は、「民間主導による自主検査の徹底」「コネクテッド・インダストリーズ(データを仲介し、従来繋がっていない機械、技術、人などが、組織、国境、業界を越えて繋がることにより新たな付加価値の創出や社会課題の解決を目指す産業の在り方)推進による品質確保の仕組みの構築」「ガバナンスの実効性向上」である。
5)私たちに求められている新しいものづくりは、従来の強みの礎の上に、新たな姿を描き、第4次産業革命、「Society 5.0」の時代の中で発展させることである。

中西宏明・経団連会長は「品質問題は、経営課題として継続して徹底することを、経営のコミットメントと位置付けるべきだ。その一方で、精神論だけではなく、テクノロジーを新しい生産体制に組み込むことにより品質問題に対処することも重要だ。」との認識を示した。

坂根正弘・日本科学技術連盟会長(小松製作所相談役)は、「企業価値の向上-品質管理とトップの役割-」と題し、KOMATSU WAY」を例とし、次の通り講演した。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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