廃プラ問題、レジ袋有料化はすぐできる

論考・サーキュラーエコノミー

最近プラスチック廃棄物問題が喧しく論じられている。環境関係のネットニュースには毎日と言ってもよいほど報道されている。特に海洋の廃プラスチック問題は深刻だ。プラスチック製のストローが鼻に詰まった亀の映像を見て驚いた人も多いことだろう。

世界で毎年生産されるプラスチックの量は約5億トン、そのうちの40%は使い捨て製品だ。廃棄されたプラスチック製品が回収されないと自然環境中に漏れ出る。それが河川などを伝わって海洋に流れ込み、海洋生態系に著しい影響を与えるようになる。2050年までに海洋中の廃プラスチックの重量が魚の総重量を上回るとする推計もある。

さらに深刻なのは、直径が5ミリメートル以下のマイクロプラスチックと呼ばれる廃プラスチックだ。有害物質を吸着したマイクロプラスチックが多くの魚介類に取り込まれているそうだ。

それでは一体私たちはこの問題に対してどう対応したら良いのだろうか。ヨーロッパやアフリカの国の中にはプラスチック製のワンウェイバッグや容器、カトラリー(ナイフやフォーク)を禁止する動きがある。プラスチック製品全般に対する使用量の削減を求める声も強い。

ただ、ここはもう少し冷静に考えてみる必要がある。先進国の人々がいかにワンウェイプラスチックの使用量を減らしても海洋プラスチック廃棄物削減にはあまり結び付かないかもしれないのだ。

※この続きは、オルタナ54号(全国書店で発売中)でご覧ください。

1953年生まれ。77年慶応義塾大学経済学部卒業後、同大学経済学部助手、助教授を経て、94年より教授。2001年から05年まで同大経済学部長を務めた。中央環境審議会委員や環境省政策評価委員会委員なども兼任する。2019年4月より現職。

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