シンポジウムに登壇したSarah Eddieさんはブルネイから参加した17歳の少女だ。7歳の時に学校で受けたスペリングテストが全くできず、教師がディスレクシアだと気づいてくれたという。その後、学習支援を受けたが、何度も教室を逃げ出した。それでもその支援のおかげで読み書きの基礎を学ぶことができたという。
文字が読めない、書けないことは子どもであっても自尊心が傷つく。Sarahさんは保護者に対して忍耐強く見守り、「何か足りない人だとは思わないでほしい」と会場に呼びかけた。
同時に、エレノア・ルーズベルト元米国大統領夫人の「未来は夢見ることの美しさを信じる人のためにあります」という言葉を引用して、当事者には大きな夢をもってチャレンジし自分で限界は作ってはいけないと励ました。
フェスティバルは多数のワークショップを開催、ディスレクシアの症状のひとつである「文字がにじんで踊る」ように見える疑似体験プログラムなどは早々に満席となり、終了後も参加者同士で活発に情報交換をしていた。
群馬県から参加した夫婦は、数か月前に長男から「以前から文字がにじんで踊っているように見える」と言われ、ディスレクシアを理解するために参加した。「認知度が低く目に見えるものではないから、親としてきちんと周りの人に伝えることが大切。将来に漠然とした不安があったが希望が持てた」と話した。