
山口県上関町の祝島沖で10月15日、住民の反対により中断する上関原子力発電所の建設工事を中国電力が再度強行しようとしたところ、抗議の漁船や漁民の座り込みが再びこれを阻止。18日現在、現地では膠着状態が続いている。
中国電力は同原発1号機の2012年着工を目指し、瀬戸内海に位置する建設予定海域の埋め立て工事計画を進めているが、同海域は天然記念物で絶滅危惧種のカンムリウミスズメが生息するなど、生物多様性のホットスポットとして注目されている。
原発予定地の対岸には祝島が位置する。同社は埋め立て工事への抗議行動を妨害だとして、中止を求める文書を上関原発を建てさせない祝島島民の会に送付。同会は「島の生活を守り、次の世代に美しい瀬戸内の海を残すためにも、原発建設や埋め立て工事の強行は許せない」としている。(オルタナ編集部=斉藤円華)2010年10月18日