
■「半径2キロ」で循環
循生研(じゅんなまけん)は、「半径2キロ以内で生ごみを循環させること」をコンセプトに持つ。半径2キロを、物事を自分ごとでとらえることができる範囲とし、主婦が感じる生活圏、中学生の行動範囲などと定義づけしている。
このコンセプトを事業化したのが、「ローカルフードサイクリング(LFC)」という取り組みだ。福岡市東区に位置する都市近郊のニュータウン「アイランドシティ照葉」で暮らす住民向けに、コンポストを広めた。1週間または3カ月ごとにコンポストクルーが、住宅を訪れてダンボールコンポストの中身を回収交換する。
ベロタクシーと呼ばれる自転車に回収したものを乗せて、コミュニティガーデン(住民共有の畑)に運ぶ。住民は交換回数に応じて、コミュニティガーデンでできた「循環野菜」をもらえる仕組みだ。
循環の拠点となるコミュニティガーデンでは、野菜の生産、環境教育や食育の機会を提供している。さらに、住民同士のコミュニケーションの場としても機能している。
LFCは、生ごみを削減するだけでなく、地域住民が、素性が明らかな野菜を身近に手にできる環境を作り出している。住民自身の努力で、健康な身体を手にでき、環境も良くすることができる。楽しい循環生活でこれらを実現することが、循生研が目指す地域づくりだ。
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