伊勢谷友介氏が代表を務めるリバースプロジェクト(東京・港)は6月12日、金沢工業大学の学生プロジェクト「SDGs Global Youth Innovators」と開発したカードゲーム「THE SDGs Action cardgame『X』(クロス)」の体験会を開催した。「トレードオフ」を理解しながら、ゲームを通じて楽しみながら社会課題を解決するアイデアを創出するのが狙いだ。(オルタナ副編集長=吉田広子)
SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年9月に国連で採択された国際目標。2030年までに貧困、教育、気候変動、生態系保全、働き方など17目標・169ターゲットを達成することを目指している。
「X」は、「トレードオフカード」と「リソースカード」の2種類のカードで構成されている。トレードオフカードは SDGsの17個の各ゴールにおけるトレードオフの問題がイラストで描かれている。例えば、AIの導入で生産性が上がると同時に、失業につながるといった状況などだ。トレードオフのリストは34枚を用意した。リソースカードには問題解決のために活用できる技術や製品、サービスなどのリソースが描かれている。
ゲームでは参加者全員に同じ枚数のリソースカードを配布。ファシリテーターが提示したトレードオフカードに対して、リソースカードを使ってチームで解決策を考え、アイデアをまとめていく。
金沢工業大学SDGs推進センターの平本督太郎センター長は、「SDGsは明るい未来を考えるのに、眉間にしわを寄せて議論して良いのだろうか」という問題意識から、カードゲームを発案した。特に、ある社会課題を解決することで新たな社会課題が生まれてしまう「トレードオフ」を体験できる仕様にこだわった。
リバースプロジェクトの龜石太夏匡代表は、「SDGsで大切なのは、問題に対してどうアクションを起こしていくか。ゲームで得た気付きや感覚を日常に取り入れていってほしい」と話した。