世界的な音楽家、坂本龍一氏は2007年、森林保全活動を行う非営利団体「more trees(モア・トゥリーズ)」(東京・渋谷)を立ち上げた。東日本大震災の被災地や福島の避難区域、石木ダム計画の建設予定地(長崎県)などにも足を運ぶ。こうした社会的活動に取り組み続けて達した結論は「人間も企業も『反自然的な存在』。だからこそ自覚を持つべきだ」と話す。その真意を聞いた。(聞き手: 森 摂=オルタナ編集長、吉田 広子=同副編集長、写真:福地 波宇郎)

「人間は反自然的な存在」と自覚すべきだと指摘する坂本龍一氏

―─坂本さんはそもそもサステナビリティ(持続可能性)をどのように考えていますか。

まず、現代の人間は長生きし過ぎだと思います。両親は2人とも他界しましたが、1人の人間が死ぬと、膨大な物が残ります。とにかく物が多い。1人の人間が生きている間、莫大な消費があり、それだけでも環境に大変な負荷がかかっています。

1万2千年くらい前までは地球全体で総人口が恒常的に500万人ぐらいといわれ、30人から50人くらいのコミュニティーで生きていたそうです。環境に守られつつ、自然の恵みを受けて、あまり環境に負担のかからない生き方をしていました。

ところが、この100年で人類は急速に資源に依存し、環境への負荷が指数的にものすごく上がりました。