白井G、廃棄物の回収効率化で人手不足解消へ

消費者から出された廃棄物を回収・処理し、再生資源への循環させていく「静脈物流」を効率化させる基盤(プラットフォーム)の開発を目指す

廃プラスチックの国内処理急増が社会課題となるなか、白井グループ(東京・足立)はIT技術やAIを活用して収集・処理の物流コストを削減する仕組みの開発を本格化させる。消費者や事業者から出される廃棄物を回収・処理する過程を電子化・効率化することで、業界内で深刻化する人手不足や処理コスト高騰などの解決を目指す。今月7日には中小企業庁の支援事業として採択され、開発に弾みをつける考えだ。(オルタナ編集部=堀理雄)

「中国が廃プラの輸入をストップしたことなどで国内の処理が急増し、収集・運搬のドライバー不足や処理コストの高騰などが深刻化。なんとかしなければつぶれてしまうという業界全体の課題を、IT技術を活用することで皆で解決していきたい」

こう話すのは、白井グループ営業企画部の西沢潤係長。具体的には、排出事業者からの個別の受注を一体的に電子化するウェブ受付サイトの開発と、収集・処理事業者が効率的に廃棄物を収集・運搬するためのAI配車システムの2つが柱だ。

静脈プラットフォーム事業の柱は、受注業務の電子化・効率化とAI配車システムの2つだ

電話や文書、直接の対面などを通じた契約の過程や見積もりなどのやり取りを電子化したポータルサイトをつくることで、業界全体で受注に関するコストを削減する。

またAI配車システムは、複数の排出事業者の収集場所・収集量などの情報を基に、エリアの特性も踏まえて最適なルートを自動で見つけ収集・処理事業者に指示するシステム。すでに白井グループが開発しており、これを複数社で連携して運用できるものに改良し、CO2の排出削減にもつなげていく。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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