メガバンクにSDGsとパリ協定迫る「責任銀行原則」

国連「責任銀行原則」(PRB)が9月22日に発足する。「SDGs(持続可能な開発目標)とパリ協定が示すニーズや目標と経営戦略の整合性を取る」など6項目の原則で、日本の3大メガバンクは、化石燃料関連企業への投融資で大幅な見直しを迫られる。(オルタナ編集委員=高馬卓史)

「責任銀行原則」(Principles for Responsible Banking)は昨年11月、パリで開かれた国連環境計画(UNEP)金融イニシアチブの円卓会議で、文書の草案が公表された。

原則を起草したのは世界の28銀行で、その資産総額は17兆ドル(約1920兆円)に上る。この原則への誓約を通じ、世界のメガバンクにSDGsと温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の方向性を周知徹底し、銀行業務に統合させる狙いだ。

原則は下記の6項目で構成される。

「責任銀行原則」は6項目ある

①SDGsとパリ協定が示すニーズや目標と経営戦略の整合性を取る
②事業が引き起こす悪影響を軽減し、好影響は継続的に拡大させる
③顧客に対し世代を超えて繁栄を共有できるような経済活動を働きかける
④利害関係者に助言を求め連携する
⑤影響力が大きい領域で目標を立てて開示、実践する
⑥定期的に実践を検証、社会全体の目標への貢献について説明する

日本では、みずほフィナンシャルグループが8月5日に「責任銀行原則」に署名、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友トラスト・ホールディングス、三菱UFJフィナンシャルグループが署名に向け、賛同・支持を表明した。

■融資先企業をチェック・監視する責任も

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高馬 卓史

1964年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。総合情報誌『選択』編集長を経て、独立。現在は、CSR、ソーシャルビジネス、コミュニティ・デザインなどをフォロー中。執筆記事一覧

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