9月23日にニューヨークで開催される国連気候サミットを前に20日、世界150カ国以上で若者による「グローバル気候マーチ」があった。パリでは約9400人が参加した。16歳のスェーデン人、グレタ・トゥンベリさんが一人で始めた「学校ストライキ」はこの日、かつてない大規模な若者の抗議運動になった。(パリ=羽生 のり子)

出発点のナシオン広場では、行進前から若者たちが「共和国の勝利」の銅像に登り、プラカードを掲げた。
大学生のエロイーズさんは、「エクスティンクション・レベリオン(絶滅への反抗)」という国際的な運動の活動家だ。円の中に砂時計が描かれたこの運動のチラシを掲げ、地球の生物が滅びる時間が迫っていることを訴えた。

セレストさんは、パリから80キロ離れた町から来た高校生。「地球はオーブンの7(オーブンで一番高い温度の目盛り)ではない」と手書きしたプラカードを持ち、「政治家は何もしないので、私たちが危機回避の努力をしなければならない」と怒りをあらわにした。

人目を引いたのはサンタクロースに扮装した女性3人組だ。「私たちは凶をプレゼントするサンタクロースです」と言い、ドクロがついた箱を開けて「あなたも温暖化難民になりますよ」というおみくじのような紙を通行人に渡していた。
プラスチック容器削減を行なっているボディショップの従業員は「気候変動マーチに出るなら休んでもいいと会社から言われた」と言って、揃いのTシャツを着て参加していた。

温暖化が続けば、国連気候変動枠組条約における締約国会議(COP)も続く。温暖化があと25年も続いて欲しくない、という意味で「COP50にノン」の旗も数多くひらめいていた。

21日は、多くの環境NGOや人権NGOが参加する、より大規模な気候デモがある。