気付かれにくい障害、災害時に配慮すべきこととは

先日台風19号が各地に大きな被害をもたらしました。大雨による河川の氾濫の可能性から早めの避難をした方も多くいましたが、障害があることで、避難が難しかった方もいらっしゃったことでしょう。今回は特に気付かれにくい障害として、知的障害と精神障害のある人に対する災害時の配慮についてお伝えします。(公益財団法人日本ケアフィット共育機構・サービス介助士インストラクター=冨樫正義)

■知的障害のある人への支援
知的に障害があることで、普段の生活においても周囲の環境が変わったり、接する人が代わると落ち着かないことがあります。災害により、まわりの環境が激変した場合、誰でも適応には時間がかかりますが、知的に障害のある人は適応までにより多くの時間と周囲の人々の適切な支援を必要とします。

具体的には、想像することが苦手な場合があるため、危険を察知しにくく、避難の必要性をなかなか理解できない。コミュニケーションに困難があり、困っていることを他の人に伝えられない。人との関わりが苦手で集団行動がとりにくいため、避難所生活を送るのが困難である、などがあります。また、怪我や痛みを上手く伝えることができない。急にパニック状態になる人もいます。

以下、支援する際のポイントです。

・落ち着ついた穏やかな口調で接する
・状況を具体的に、わかりやすく、簡潔に説明する
・言葉でうまくコミュニケーションがとれない際は、絵や写真などを使用する
・痛みがある様子であれば、身体を観察し、わかりやすい言葉で指差しをして痛む場所を聞く
・パニックは不安の表れと考え、静かな場所で話をする

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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