預金者の意識を高める銀行(林 公則)

■オルタナ本誌59号 つなぐ金融から

お金には、他者や自然との関係を切り離し、個別化させる側面がある。食べ物の場合、消費しきれないほど所有しようとは考えない。食べられる量には限界があるし、腐ってしまうからだ。

有り余るほどの食べ物を独占しようとするのではなく、ほどほどの食べ物を確保できれば、残りを他者に分け与えようとするだろう。

一方、お金の場合には、独占しようという誘惑が生じる。お金は腐らず、また預金したり慎重に投資したりすれば、自分で労働することなく増えるからだ。

お金を増やすことだけを考えるようになると、他者や自然が傷つくことに意識が向かなくなっていくのと同時に、自分だけで生きていくことができると思うようになり、社会に無関心になっていく。

社会への意識やほどほどでよいという自制心を奪い去る側面がお金にはある。 このようなお金の裏の側面ではなく、表の側面を発揮させるために活動してきた銀行が存在する。

本誌58号(2019年9月発売)でも紹介されているドイツの社会的銀行・GLS銀行である。

*この続きは雑誌「オルタナ」59号(第一特集「動物福祉(アニマルウェルフェア)のリスクと機会」、12月17日発売)に掲載しています。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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