ワタミの宅食、調理くずからマヨネーズに食品循環

弁当や惣菜をつくる過程で出た調理くずを飼料化し、その餌で育てた鶏の卵でできたマヨネーズを弁当や惣菜に使用するワタミの取り組みがこのほど、食品リサイクル法に基づく「食品リサイクル・ループ(再生利用事業計画)」に認定された。同制度の認定を受けると、廃棄物処理法の特例により行政区分を越えた効率的な広域収集などが可能となる。同社は再生利用事業者や生産者との協働を進め、循環型社会の形成を目指す考えだ。(オルタナ編集部=堀理雄)

食品リサイクル・ループの説明図

認定を取得したのは、「ワタミの宅食」の弁当・惣菜を製造する「ワタミ手づくり厨房」中京センター(愛知県津島市)の取り組みだ。

同センターが出す食品残さの排出量は年144トン。それを由来として中部有機リサイクル(愛知県名古屋市)が製造する飼料エコフィードが年28.8トン。サンエッグファーム(愛知県岡崎市)がその飼料を使用して育てた鶏の卵の生産量は年10トンになるという。

食品残さを排出する食品関連事業者と、それを飼料化する再生利用事業者、農畜産物など生産者の三者がリサイクルの環(ループ)を構築し、食品再生資源を有効に活用する。

同センターは今回の食品循環の取り組みとは別に、使用済みのプラスチック弁当容器を顧客から回収し、ケミカルリサイクルを経て再度容器に再生する取り組みを2019年5月に開始。食品とプラスチック容器の2種類のリサイクル・ループを推進している。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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