新型コロナ、大企業の国内外拠点で感染相次ぐ

国内外の事業所で新型コロナウイルスの感染者が発生している大手企業では、感染拡大防止に向けた現場の取り組みが続けられている。各社の対応から見えてくるのは、特に感染発覚時の速やかな情報開示や感染防止に向けたテレワークの実施など先手を打つ対応の重要性だ。迅速な対応を行うための顧客対応の考え方や事業継続計画(BCP)について、セブン-イレブン・ジャパン、トヨタ自動車、資生堂の3社に聞いた。(オルタナ編集部=堀理雄)

■安全・安心へ迅速な開示がカギ

大手コンビニチェーンのセブン-イレブンでは、3月7日に山梨県の上石森店の従業員に感染が発覚。翌日8日にその事実とともに当該店舗の休業や従業員の出勤停止、店内消毒の実施などをホームページで公表した。同日に続報として、店舗住所のほか、当該従業員の直近の勤務実績や濃厚接触者の状況などを発表した。

同社広報担当者は、「まず顧客や従業員、オーナーの安全・安心を最優先し、オーナーとの協議のうえで休業を決定。その事実を地域の方々はじめ速やかに開示した」と説明する。

その後12日に大阪の豊中新千里南町店の従業員に感染が発覚した際は、同日中に同様の発表を行った。両店とも保健所の指導の下に消毒を完了し、感染拡大の疑いが発生していないことから順次営業を再開している。

トヨタ自動車では、3月19日に愛知県豊田市の高岡工場に勤務する従業員に感染が発覚。翌20日に豊田章男社長の名前で感染の事実や対応を公表し、「全事業所に関わる話として受け止め(中略)速やかに情報を開示していくと共に(中略)総力を尽くして、感染拡大防止に取り組」むとした。

22日に同工場でもう1人の感染が確認され、濃厚接触者の自宅待機とともに、該当建屋全体を23日から25日の3日間封鎖し、同工場の第1ラインは3日間生産を停止した。同社広報部は「社長が発表した方針に基づき、即断・即決・即実行で安全・安心を最優先に進めている。現場で感染拡大防止に取り組む方々の気持ちに寄り添いながら対応を進めている」と説明した。

海外では各国政府の事業活動停止の方針などにより同社工場でも停止が広がっており、北米の全工場をはじめ、仏、英など欧州やアジア、中南米の諸国で生産が止まっている工場がある。同社従業員の海外での感染者は、北米やアジア、中南米で計6人が確認されている。

■「BCP役に立った」

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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