■日本国内にシフトした市場回復を目指す

河口湖にある「ふふ河口湖」。周囲の自然環境に敬意を払った施設づくりがなされている

インバウンドの観光客増加の好景気や、「東京オリンピック・パラリンピック」を見込んだホテルの過剰供給など、観光市場を盛り上げた基礎造りを続けてきた日本国内市場は、今後、そのキャパを埋めるために観光客の誘致や、建物自体の別途活用方法を考えだす必要に迫られるかもしれません。

現在は新型コロナウイルスの感染患者の待機場所としてのホテル利用もありますが、やがて感染症収束後に、観光立国として再復活の道をどのように闊歩していくべきでしょうか。

日本の観光業を蘇らせ、ホテルを潤し、「魅力的なもてなしの国」として信頼を取り戻すことはできるのでしょうか。今後は、まさに日本の政治手腕を基盤に、私達、日本国民全体の努力や智慧が問われています。

観光業は平和産業の極みです。そして今を生きる者にとって、こうも言えるのです。

「旅は、人生にとってなくてはならないレジャーであり、心の癒し、心の開放感、アカデミックな分野の脳細胞をも活性化させる手段でもあります」と。旅をすることは、何があっても廃れない楽しみであることに違いありません。

第二次世界大戦後に、ヨーロッパではソーシャルツーリズムという概念が生まれました。

「ソーシャルツーリズムの根底には人が人らしく生きるためには、一年のサイクルの中に連続した休憩期間を設け、心身をリフレッシュすることが必要であるとの思想が流れている。それまで、観光旅行から阻害されていた労働者階級においても、休暇や旅行の権利を認め、その権利の行使をしやすくすべきだという考え」(参:観光の形式)と論説があります。

この思考を元に発展したのがリーズナブルな世界感を提供する宿やホテル、ホステルであり、経済的に裕福でなかろうと、万人が楽しめる「旅」があるという概念が生まれました。

■フェーズが変わる旅行業界とホテルの在り方

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