今のところ競合や食害で絶滅が危惧されるような野鳥や動植物が見当たらないからか、交雑が懸念される日本固有のインコもいないからか、外来種ながら駆除対象になったという話は聞かない。その割に増加が頭打ちなのは冬の寒さによるものだろうか。
あるいは食物不足による限界、天敵による捕食圧があるのだろうか。

天敵、ということに関しては思い当たることがある。本郷キャンパスで観察しているときに感じたのだが、彼らはカラスに対する警戒感が非常に強い。襲われるのを目撃したことはないが、カラスが近くにくると建物の通気口などに入ってしまい、カラスがいなくなってから周囲を見渡しながら出てくる、そういった場面を数回観察した。
カラスはハトなどを捕らえるとき尾羽を狙うことがしばしばある。以前、川沿いでパンの耳などを大量に撒く人がいて、カモ、カモメ、ハトなどが待ち受け、パニックのように鳴きかわしながら殺到する光景に何度か出くわした。
そのようなとき、夢中になってパンを奪い合うハトの後ろに、カラスが静かに近づき一瞬のすきに尾羽を咥えて捕らえてしまう姿を一度ならず見た。