■オルタナ本誌62号 「モビリティトピックス4」 から 文・島下 泰久
クルマの走行性能向上、燃費改善の特効薬である軽量化の手段として、F1マシンの車体にも使われる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が注目されている。目下の課題は、生産コストの高さだ。
材料が高価な上、RTMと呼ばれる比較的安価な製法でも、型に繊維シートを敷いて樹脂を流し込み熱硬化させる工程が必要で、コストは鉄部品の10倍と言われている。
今回、日産は金型内の炭素繊維間を流れる樹脂の流れの可視化に成功。繊維に樹脂を均しく含浸させるためのシミュレーションが可能になり、金型試作の簡略化を実現した。
成形時間がRTMの5分の1になるC-RTM工法との組み合わせで生産コストを削減。CFRP部品の拡大採用を狙う。
*雑誌「オルタナ」62号(第一特集「エシカル消費、SDGsが牽引」)は9月30日発売