従来の金融機関と共存

タラ社を立ち上げたシヴァニ・シロヤ氏


タラ社が行う信用調査は、スマートフォン内の10万以上の分析項目を、独自のアルゴリズムで評価し、最大500ドル(約5万7千円)まで、ローン希望者の返済能力に見合った金額を即時決済する。

その分析項目は、例えばローンの借用人が1日に何人と話したか、行動範囲や親や親戚とのコミュニケーション頻度などを評価していく。現在、平均のローン金額は50ドル(約5700円)。それに対する利子は11%で、90%以上がローン返済を行っているという。

だが、タラ社が高く評価されている一つの理由は、タラの信用偏差値の情報が、タラ社を通じて伝統的な金融プラットフォームへ流れる仕組みを構築している点だ。

これにより、既存の金融機関は、顧客を増やすことができ、タラの融資と返済をきっかけに、ローンを受けられなかった人々が、融資を受けられるという仕組みができた。

「UNBANKED(銀行口座を持たない人)」という言葉は、新興市場を語る上で外せない用語になったが、この現金のみで生活をする人々が25億人に上るという事実こそ、タラ社の事業としての可能性を語る上で、投資家たちの注目を集める理由だ。

2016年内に、インドネシア市場でのランディングテストを開始する見込みだ。全日本空輸の社会起業家支援事業「BLUE WINGプログラム」にも選出されたシロヤ氏。フィンテック企業としての存在感もさらに増すに違いない。

*雑誌オルタナ47号(2016年12月16日発売)「世界のソーシャルビジネス」から転載

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