米カリフォルニア州で、運転手を従業員ではなく個人事業主とする住民投票が可決された。ウーバーやリフトなど、ギグワーカー(単発の仕事を請け負う人たち)を使う会社にとって有利な結果だ。そこにはカマラ・ハリス次期副大統領の義弟でウーバーの法務代表であるトニー・ウェスト弁護士の存在もあった。(米ポートランド=山中緑)

カリフォルニア州は2020年1月に施行した州法をめぐって住民投票を行った

単発の仕事を請け負うギグワーカーには、福利厚生や最低賃金制度などの保障がない。そのため、カリフォルニア州は今年1月、彼らを従業員として扱うとした州法を施行した。

これに対しウーバーやリフトなどのギグカンパニーは、「我々の事業は運転手と顧客を結ぶ情報技術サービスであり、旅客運送業ではない」と反発した。そして、州法からギグカンパニーを除外するための住民提案(イニシアティブ)を出した。

イニシアティブは米国の直接民主制の一種で、州法の新設や改正などを州民が起草し、一定の署名が集まれば、住民投票(プロポジション)として是非を問う。カリフォルニア州では、住民投票が可決されれば、州議会の意向に関わりなく効力を発する。

住民投票の多くは大統領選挙や中間選挙と同日実施が慣例だ。今回も11月3日に実施され、この住民投票は賛成58.6%、反対41.4%で可決した。

ギグカンパニーによる住民提案のための活動費は、最終的に2.5億ドル(約210億円)を超えた。これは1999年以降、住民提案に関するキャンペーンでの最高額となった。テレビCM、アプリ内のメッセージ、郵便物を通じた大量のメッセージは「情報戦争」と評され、効果は絶大だった。

住民提案可決を受け、ギグカンパニーは運転手たちに対する従業員としての身分保証保障を免れた。その直後、ウーバーとリフトは2社の株価の時価総額は100億ドル以上も増えた。ギグカンパニーは他州においても同様の法案を追求すると発表した。

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