【連載】オルタナティブの風
1987年に米国のシンクタンクに着任したとき、深く感銘を受けた。
シアトル郊外にある研究所の門を入ると、そこは大きな森の中であり、受付はリゾート風のコテージであった。チェックインを済ませると、その森の中のコテージが宿泊施設として提供されており、さらに、その森の小道を歩いていくと、所々に洒落たコテージがある。(田坂 広志)
その入口の表札には「リスク管理研究室」「社会システム研究室」などと書かれており、その研究所は、森の中のコテージ群が全体として一つの研究所になっていた。そして、昼食時になると書かれており、その研究員は、各コテージから小道を歩いて森の中央にある湖に向かい、湖畔のカフェのテラスで食事と懇談、そして議論をするのであった。