ウィルスとエゴ(田口ランディ)

【連載】エゴからエコへ

いったいウイルスとは何者なのだ。生物に必ずあるはずの細胞質が彼らにはない。生物なら絶対に持っているはずのDNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)のうち、どちらか片方しか持っていない。

ウイルスは生き物なのか。なにゆえ他の生物の細胞に入って自分のコピーを増殖するのか。私の細胞に違う情報を書き込んで増えたって、宿主が死んだら終わりだろう。いったいあなたたちの目的は何なのだ。

今回知ったのだが、ウイルスにはものすごくたくさんの数と種類がある。ヒトに感染するものに限っても73億通りあるらしい。たぶん生き物のなかでダントツ多い(彼らが生きものだとしたらの話だが)。海なんぞ、ウイルスだらけだ。

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田口 ランディ(作家)

作家 東京生まれ。 近刊は地下鉄サリン事件実行犯で昨年に死刑執行された林泰男との14年間の文通・交流をもとに描いた私小説「逆さに吊るされた男」(河出書房新社)

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