文化祭のラストと言えば、フォークダンス――と書くと今の若者は驚くだろうが、60―70年代の高校では常識だった。「マイム・マイム」を知っているなら、あなたは私と同世代。あのメロディーが流れるとつい踊りたくなる。
「マイム・マイム」はイスラエルの民俗的なダンス。この曲の歌詞はいたってシンプル。「泉だ、泉だ、喜べ、喜べ」と繰り返している。砂漠で水源を見つけ皆で喜ぶ踊りなのだ。
何でイスラエル人は泉を見つけて喜んでいたのか。それは、イスラエルとパレスチナの闘いの歴史と関係する。
1900年代初頭に帝政ロシアで大規模なユダヤ人虐殺が起こった。難を逃れた人たちがパレスチナに渡り、砂漠を開拓して自給自足の生活を始める。それがキブツ。みんなで働き、平等で、共同責任、機会均等という四原則のもと、共同体が生まれたのだ。なにしろ砂漠だから雨なんか降らない。水の確保は最重要課題。だから、水源を探してみんなで井戸を掘った。