「旅人以上、定住未満」が地方創生の鍵

【連載】オルタナティブな空間

長浜の空き家を拠点に商店街の掃除や祭りの手伝いをして暮らすという若者の提案は、「儲からないし続けられない」と懸念されていた

滋賀県の長浜という街で開いたエリアリノベーションのワークショップで、とある発表が印象的だった。長浜に半定住している20代の若者3人組。街の人々が集まる最終プレゼンテーションの場で、彼らが問いかけたのはこんな言葉だった。

「なぜ私たちに『いつこっちに移住してくるの?』と二言目には尋ねてくるのですか? 定住するのか、しないのか。二者択一を迫ってくる理由がわからないし、問い詰められる事が重荷になっている。このままではこの街が嫌いになりそうだ、本当は好きなのに」

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馬場 正尊(建築家)

建築家。1968年佐賀県生まれ。94 年早稲田大学大学院建築学科修了。博報堂、早稲田大学博士課程、雑誌『A』編集長を経て、02年Open Aを設立。東北芸術工科大学教授。

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