エリートコンサルが700人の村で見つけた使命

――そこから、どのように転機を迎えていくのでしょう?

本当の幸せって何だろう?と模索していた中で「幸せの新しいものさし」という本に出会いました。この本では閉塞感のある時代でも新しい「価値観(ものさし)」で豊かに生きている人たちを紹介していました。その中で「ソーシャルビジネス」という言葉を知り社会に貢献する仕事ってやりがいがありそうだなって興味を持ったんです。それがきっかけで社会起業大学に入学しました。

――入学してみてどうでしたか?

授業はとても新鮮でした。

会社員の時は、給料は与えられた仕事をしたら月末に振込まれるものと思っていましたが(笑)、そもそもお金をどうやって稼ぐのかをゼロから学ぶことができました。特にここで学んだ「オンリーワン戦略」は、まさに今の働き方に大きく影響しています。

また、様々な社会起業家の講演を聞けたのも大きかったです。特に地方と都会を繋ぐNPOの取組みを聞いたのがきっかけで地域に関心を持ち、地域おこし協力隊として今住んでいる小菅村に移住することになったんです。

社会起業大学の同期生たちと

700人の村で見つけた僕だけの役割

――移住してからはどうだったのですか?

すぐに小菅村に魅力を感じずっとこの村で生活したいと思っていた私は、一人で稼げる力を身につけねばなりませんでした。そこで

「自分は何のオンリーワンになれるのか!?」

ということを常に考えていました。そう。社会起業大学で学んだオンリーワン戦略です。

村の現状を把握していく中で、東京にはITの会社が沢山あり私の会社だけでも1,000人以上のSEがいたのにも関わらず小菅村には一人もいないという事実を見つけました。

「これだ!」

と思いました。

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こうして、まずは自分を知ってもらうようにしました。どんな小さな相談でも駆けつけて、信頼を蓄積していきました。

 そうしているうちに、

「森くん、ホームページもつくれるの?」

「森くん、うちの業務ってもっと効率化できないかな?」

 とさまざまな相談をもらえるようになったんです。

小菅村で唯一のITコンサルタント。この小菅村で他の誰でもない自分だからこそできる役割を見つけることができたんです!村のHPの多くは私が作っていますし、現在ではIT支援を軸に小菅村のクラフトビール会社の経営企画や、小菅村でのドローン配送プロジェクトのリーダー、中央大学の客員講師も任せてもらい複数のキャッシュポイントを得ることができて事業も安定してきました。

実はこの11月に小菅村で出会った素敵な人と入籍もしました。新居は11部屋もある元旅館です。子ども部屋には困らないですね(笑)。大切な人とともにこの村を元気にできるように仕事も暮らしも大切にしていきたいと思います。

小菅村の山腹で

森 弘行さん
フリーランス
Far Yeast Brewing株式会社 経営企画室長
株式会社エアロネクスト プロジェクトリーダー
中央大学 客員講師

聞き手:
林 浩喜
社会起業大学 学長
社会起業大学株式会社 代表取締役

shakidai

ビジネススクール 社会起業大学

2010年設立。日本で最初の社会起業家育成に特化したビジネススクール。500名上の卒業生がおり日本各地の他東南アジア、アフリカ、アメリカなど世界各国で様々なソーシャルビジネスに取り組んでいる。2020年に社会起業大学株式会社を設立し、さらなる発展に向けてスタートを切った。執筆記事一覧

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