「人間の善」への信頼、ローカルベンチャー育てる

論説コラム

ローカルベンチャーをご存じだろうか。地方の資源を活用して、そこで新規事業を起こし、課題を解決しようとしている人たちのことである。たくさんの社会起業家を育ててきたNPO法人ETIC.と、林業を軸に地域再生を進める岡山県・西粟倉村の呼びかけで2016年にローカルベンチャー協議会が発足、内閣府の地方創生推進交付金を得て「広域連携によるローカルベンチャー推進事業」を展開中だ。2020年度の参加自治体は10に上り、企業もパートナー、メンバーとして参加が可能になっている。

インパクトを明確にするのがこの事業の特徴で2020年度末までの5年間に達成すべき目標を次のように設定している。

1,ローカルベンチャーによる売り上げ規模の増加―60億円
2,新規事業創出件数―176件
3,起業型・経営型人材の地域へのマッチング(就業紹介)-366人

2019年度までの4年間の実績を見てみると、新規事業創出は既に目標を上回る201件で、達成率114%となっている。起業型・経営型人材の地域へのマッチングもほぼ計画通りで277人、達成率75.6%。今年度末には95%を超える達成率になりそうだ。

売り上げ規模だけは41億円で達成率68.7%と苦労している。コロナ禍もあり予断を許さない状況だが、健闘しているのは間違いない。

事業に参画しているのは都市出身の30代ら

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原田 勝広(オルタナ論説委員)

日本経済新聞記者・編集委員として活躍。大企業の不正をスクープし、企業の社会的責任の重要性を訴えたことで日本新聞協会賞を受賞。サンパウロ特派員、ニューヨーク駐在を経て明治学院大学教授に就任。専門は国連、 ESG・SDGs論。NPO・NGO論。現在、湘南医療大学で教鞭をとる。著書は『国連機関でグローバルに生きる』など多数。執筆記事一覧

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